2022 best songs of the year

 2022年で良かった曲を10選する企画,今年もやります。

 

1. リトルハミング / 葉加瀬冬雪

open.spotify.com

 

 あまりにもこれすぎる。今年一番聴いた曲です。これを聴きすぎてSpotifyのまとめでジャンル「Vtuber」が5位に入ってしまったくらいには聴いてました。そもそも堀江晶太が相当に好きなのでその時点で期待値高め,ふたを開けてみれば相当に好きで狂っていました。

 一番好きな季節が秋(から冬に移り変わるあたり)なのですが,自分が聴いた感想としてこの曲はドンピシャその季節感の曲で,息が白くなり始めて『あぁ,冬が来るな』という気持ちになって,そんなさなかに木枯らしが吹いて枯れ葉がカサカサ音を立てて足元を滑っていく,そういうバイブスです。本当に好きすぎる。最近の個人的な好みとして,メロディが短めのフレーズの畳みかけの様になっているのもかなり好きポイントで,いい意味で昔の堀江晶太(kemu)とはずいぶん違ってて好き。常々言っている通り,最近の堀江晶太バチバチにじん(自然の敵P)の影響を受けていると思っていて,特にBメロの感じとか,完全に自分の好きポイントを押さえられていてもう狂うしかない。

 歌詞の話,

終わりない夢は 無粋らしいね 大丈夫 大丈夫 遊ぼう

がほんとうに好き。最近の自分のテーマとして『大人になりたくない』というのがあります。『大人』というのは現実を受け入れるしかないような状態にあって現実と折り合いをつけて生きていくしかない者のことを指しているのですが,それはすなわち『終わりない夢』を見ることを諦めたということだよなぁ,と勝手に思っていて,現実にそぐわないそんな夢は無粋かもしれないけど,それでも大丈夫という気持ちになれてかなり来るものがあります。ほんとうに。

青と茜を繰り返して やっと少しだけ 自分らしさを知る

これでもあります。『青と茜』って,要は顔色だったりの連想から良いことや悪いことが起こって感情が揺れ動くようなイメージで,そんなこんなを繰り返して自分を知っていくという成長の話だろうなぁ。あと,歌詞の中で「葉加瀬冬雪」の文字が全部使われているの,さんざん言われてるけど好きすぎる。

 

 ↓ほんとうにこういう気持ち

 

2. 如果突然想起我 / ChiliChill

open.spotify.com

 

 今年もあり得ないくらいChiliChillがきてる。これは原神の2022年アニバーサリー同人イベントの公式ソングです(分かり辛い)。カントリー風味のイントロから始まって合唱が始まっていくの,ほんとうに良すぎる。間奏でウーアーコーラスが入ってくる地帯がめちゃくちゃ気持ちよくて一生聴いてます。サビも大きくなりすぎず,良い感じの落ち着きを保って進行してくれるのが本当にありがたい。なにしろ年を取ってしまったのでデカくなりすぎると疲れてしまうのじゃ......。ラスサビでブラス入ってくる展開はChiliChillあるあるだと思っているんですが,これが本当に好き。安定のChiliChillサウンドの一端はここにあるかも。

 今年一番遊んだゲームが原神(一日平均4時間やってる)なのですが,その文脈を含めてかなり好きです。キャラのことを知っているとなんとなくニヤニヤできるところもあって,そういうところもほんとうにニクい。ChiliChill好きすぎるので早く日本でライブやってほしい。中国でやるって言われたら行くかもしれない。

 個人的にこの曲に『晴れた土曜の昼下がりぽかぽか音楽』というラベリングをしているのですが,こういった曲を他に知らないので知ってる人がいたら是非に知らせてほしいです。大感謝をささげます。ほんとうに。

 

3. ヒグラシ・ロード / Daito Music

open.spotify.com

 

 パチ曲です。今年はかなりパチ曲を掘っていて,2022年リリースのパチ曲のでも明らかに良すぎる曲です。どう考えても可愛い女の子を攻略してえっちなことをしたりしなかったりするゲームの曲みたいなポップスです。ピアノとか,『そりゃあ好きですよ』みたいなフレーズやってくれるしギターソロも良すぎる。ちなみにCDも買ったんですが作曲者の情報が一切なくてキレ散らかしてます。せめて歌手の名前とか書いてくれよ......。

 2022リリースではないですが同じDaito Musicの曲でsupercellみたいなポップスもあるのでぜひともよろしくお願いします。↓

open.spotify.com

 

4. ユースフルアイズ / サクラローレル(CV. 真野美月)

open.spotify.com

 

 まっすぐロック枠。リリース日に聴いてぶん殴られました1。あまりにも素直にまっすぐなロックで,こういうのでいいんだよ,こういうので,の後方腕組みオタクさんになってしまった。サビメロ1ループ目はドッパドドパのリズムで疾走感を出し,2ループ目で四つ打ちにして雰囲気変えたスピード感にしてくるの,マジで好きすぎる。これになりたすぎる。こういうまっすぐロックアニソン(ウマ娘はゲームですが......),あんまり数は多くないですけどたまに出てきてめちゃくちゃ心を破壊してくるのでやめてほしい(やめなくていい)。Aileっていう曲もそうなんですけど。↓

open.spotify.com

 

5. ひたむきマイノート / サクラチヨノオー(CV. 野口瑠璃子)

open.spotify.com

 

 リリース日に聴いてぶん殴られました2。やっぱりウマ娘は音楽コンテンツ。すしPみたいなディスコ的ソングです。試聴で流れた瞬間にデカい声が出てしまい,当時住んでいた家で隣人から思いっきり壁ドンされたのもいい思い出。ゆるめのラップっぽいパートとか,カッティングギターとか,オタクくんの好きなもの全部詰め込んでてヤバいわよ!声もいいしな。惜しむらくはサビの「夢来たりなば春遠からじだから」の譜割が変すぎて最初「夢来たりなバハルトカラジーだから」と勘違いしちゃったところ。もう少し聞きやすい譜割にもできるだろうに......どうして......。

 

6. 神女劈観 / HOYO-Mix

open.spotify.com

 

 原神のとあるストーリーの最後で流れる曲から。現代風京劇というラベリングをしています。イントロや歌い方は京劇と言われてイメージするそのサウンドそのものなのですが,その他のアレンジはかなりポップス(というか劇伴っぽい雰囲気?)に寄っていて,そのバランス感覚がすごく絶妙でめちゃくちゃに衝撃を受けました。こういう国風(中国っぽい雰囲気のサウンド)を作りたい。ただ,やっぱりそれには中国語が必須なような気もしていて難しい。日本語カバーも存在している↓ものの,やっぱり何となく違う感じがします。ともあれ,これをローカライズして日本語にせず(特にナレーション),分かりやすさを犠牲にしてでも本来の言語でやってくれたmiHoYoにはほんとうに感謝しています。申鶴さんのストーリー良すぎワロタ。

 

youtu.be

 

7. U / DECO*27

open.spotify.com

 

 もはや忘れかけられている設定として,DECO*27に狂っているわけなのですが,今年のデコちゃんはちょっと過去への回帰が見られてかなり好きです。その中でもこのUは彼がずっと好きだと言っている洋楽メロコアとかの雰囲気をしっかりやってくれていて,「お前!本当の姿を取り戻したのか!」と言いそうになりました。アレンジはRockwellな訳ですが,デコちゃんが「僕の詞とメロに対する大変良き理解者」と言っているように,そのサウンドはかなりDECO*27のやりたいことを汲んでくれているようで,おそらく編曲自体も本人がやりたいことと一致していると思われます。この二人いい関係性だなぁ。ところでデコちゃんはもっと自分で編曲してくれてもええんやで。

 

 

 ちなみに,DECO*27とRockwellは中学時代ともに柔道部に所属していて試合でも顔を合わせたことがあり,それなりに仲も良かったらしいです。ほんとうに良い話。

 

8. 声色 / ornot

open.spotify.com

 

 ジャンル分からない(ポストロックとかそういう系?)けどめちゃくちゃ好きな曲。空気感強めのオケに息成分の多い可不の声がかなり合っていて良い。これまで聴いてきた中で可不の声が一番合っている曲だと思います。作曲者は中国の方っぽいのですが(だからかは分からないけれど),ちょっと怪しい日本語なのがかなり良いフックになっていて,それも好きポイント。というか自分,怪しい日本語とか中国訛りの強い日本語とかそういうのが好きすぎかもしれない。

 

9. 青春コンプレックス / 結束バンド

open.spotify.com

 

 覇権と話題のぼざろから。ギターと孤独と蒼い惑星もかなり好きなのですが,これがぶっちぎりで好き。ギターの音とリフの作りが完全に往時のボカロックのDNAです,マジで。GUMI歌唱にしたものを2011~2013年くらいの曲ですと言われて渡されても割と信じてしまうかもしれない。この方向性をずっとやってくれるボカロPが既に途絶えて久しいのでオヂサン涙出そうになりました。結局自分の音楽の土台にはボカロックがいるんだなぁとしみじみと感じさせてくれる曲でした。ありがとうぼざろ,観てないけど。

 

10. 新春游园 / ChiliChill

www.bilibili.com

 

 いきなりものすごいストリングスが流れて初めて聴いたときに飛びあがりました。自分じゃ絶対思いつけないめちゃんこかっこいいフレーズが流れてきてほんとうに凄いと思った記憶。ストリングスはめちゃくちゃ良いんですがその他も全部よく,ピアノとかベースとかほんとうにどうなってる????サビで派手になりすぎない良い温度感を保ってデカくなってくれる感じ,安定のChiliChillサウンドで感謝の気持ちしかない。PVもめちゃくちゃ良いんですよね。百合オタクじゃないけど,こういう関係性いいよなぁって感じ。これは崩壊3rdのファンソングらしいんですが,もしかしなくてもmiHoYo関係に好みを握られているのかもしれない。

 ちなみにStudio Live版も上がっており,これもかなり良い。はやく日本でもライブをやってくれ(2回目)。

www.bilibili.com

 

 以上,2022年の良かった曲best10でした。今年もdigの中心が中国だったのでそれ系統が多めかもしれません。また,やはりChiliChillが強すぎる。best10には入れてませんが良かった曲ランキングの上の方にChiliChillがめちゃくちゃある。bilibiliボカロシーンは今年あまりパッとしなかったけれど,何故かFutureBassの復権のようなムーブメントがありました。ChiliChillも突然FutureBassやってびっくりしたし。

 個人的な話,今年良かった曲全体的にはロックが強いなぁという感じで,best10にはいないメタルとかハードロックもかなりあります。今年特に来てたのは燐舞曲です。D4DJってバンドコンテンツだったかもしれない。ボカロックの気持ちや国風ロックの気持ちも強くなり,ますますギターをちゃんと練習しなければという気持ちが盛り上がってます。がんばるぞ!

ANT-iのはなし

www3.nhk.or.jp

 

 これは全く関係(なくも)ない釘バット

 

 つい先日,(内輪で)『ANT-i』(エイントアイ)という曲を発表しました。歌詞の話をするのが流行っているらしいので歌詞の話を書きます。そのうちインターネットの海にも放流されるのでよろしくね!

 

気付けば色を失くしたこの心が
疑問ばかり叫んでいる
いつしか嘘に塗れたこの心は
弱さを見せ合うことさえ忘れてしまった

 

 いきなり陰鬱ですみません。『色を失くした』というのは,希望なんかを失ったことの比喩です。自分が書く最近の歌詞は「大人になりたくない」ということが大体どこにも通奏されていて,ここも多分に漏れずそういう意味が込められています(それにこの先メインになってくる意味を掛け合わせている)。大人になるということがどういうことか,というのはかなり多くの答えを孕む問題ではありますが,自分としては「幼き日の憧れを失くす」ことと「嘘(取り繕い)が上手くなる」ことだと思っています。これは必ずしも悪いことではなくて,例えば後者であれば世渡りが上手くなる(生きるのが上手くなる)みたいな良いこともあるんじゃないですかね。前者と合わせると「大人になる」ということは「地に足をつけて生きていくことができるようになる」ということに言い換えられるかもしれません。まぁ自分は陰の者なのでこれには苦々しい思いを抱えており,だからこんな陰鬱な歌詞になるわけなのですが。どうして大人になんてなってしまったんだ,という心があって疑問を叫ぶ一方でその心は嘘に塗れてしまって,弱さ(=本音)を見せることができなくなってしまった,ということ。掛け合わせている意味は後ろから何となく推測してみてください。

 

やがてヒトは慈しみを笑顔で撃ち合う

 

 慈しみとか優しさみたいな,他人を思いやっている(と思っているもの)が人を傷つけてしまう,なんてことは往々にしてあるわけで,ともすればそれが致命傷になったりすることもあるわけです。自分は「言葉」を「言霊」→「言弾」として変換して銃を媒体に「言葉を発する(そして人を傷つける)」という表現をやりがちです(ダンガンロンパの影響?)。

 

いつか夢に見ていたような そんな世界に
きっと僕の居場所は無いのだろう
この左胸突き刺した痛みが
安らぎでさえ奪い取ってゆく

 

 もう一つの最近のテーマとして「世界マジでクソ,滅べよ」というのがあります。あんまり世界情勢とかに触れるつもりはないんですが,ここ最近特に世界が狂っているな~という印象を受けることが多くなっています。ずっと昔はそれなりに未来への期待があったような気がしているんですが,そういう世界はすっかり消えてしまったな~と思っています。『夢に見ていたような そんな世界』というのはかつて期待していたような世界のことで,その世界がそもそも現実にないのだから,現実にいる自分の居場所はその世界にはないということ。遠回しに「現実にいるしかない,現実で生きていくしかないじゃんね」ということを言っています。しかし,現実は得てして辛いものなので,左胸を突き刺す痛みはずっと消えず(消えてしまえば楽になれる=非現実である理想の世界に行ける),それが安らぎを奪って現実を突きつけるという構造です。

 

優しさを履き違えたこの言葉が
打ち抜くのは誰かの夢
抱きかかえた命さえ捨ててしまう
僕らがたどり着くのは理想に燃える景色

 

 前半が言っていることはちょっと前で言ったのとほとんど同じこと。自分の中で『命』は割と比喩的に使われることが多く,雑に「大事なもの」くらいの認識です。『抱きかかえた命』というのは能動的に得た大事なもののことを示していて,自分で欲しがったものをやすやすと手放してしまう,みたいなことがこの世には多すぎる,というイメージです。なんでそんな風に手放してしまうのかといえば,次から次へと欲しいものが出てきて,それでいて使えたり手元に残したりできるのはごく一部なわけで,結局何かを捨てていくしかない,という状況があると思います。あれもこれもと手を出しては捨て,そんな『僕ら』がたどり着くのは,欲しがるもの(『理想』)を求めては争い合って,傷つけあう(『燃える』)景色だろうなぁと考えています。結局世界は狂っているなぁというところに落ち着くわけなのですが,おそらくその狂った世界には自分も加担していて,だからこそ単純にそれを非難しようということもできなくてどんどん鬱屈した気持ちばかりが溜まってしまうわけです。

 

そしてヒトは筒を握り互いを撃ち合う

 

 最終的には優しさなどのようなオブラートに包むことさえ辞めてただただ相手を攻撃するようになる,というイメージ。

 

奇麗言に染められた そんな世界に
きっと僕の居場所は無いのだろう?
白紙のままで丸のついたテスト
正解(ただしさ)でさえ見失っている

 

 『奇麗言』とは耳障りの良い言葉のことを指して使っています(というか自分はそういう使い方しかしていない)。結局は1サビと同じことで,耳障りの良いことばかりが全てじゃない現実に生きていくしかないじゃんね,ということ。語尾が疑問形になっているのは,「なぁ、そうなんだろ?」というような同意を求める意味合いがあります(これが,そうなのかもしれない,と自問するだけの1サビとはちょっと変わっているところ)。ところで,あまりにも欲しいものを求めすぎると何が本当に欲しいのか分からなくなることがあると思います。どういうことかというと,ひたすら求め続けて目についたものがただただ「欲しい」となるだけの思考停止状態に陥っているんじゃないのか?ということです。というわけで後半は,そんな風に求め続ける世界への皮肉です。『白紙のまま』という明らかな思考停止(不正解という意味もあります)にさえ『丸』をつけて正解にしてしまう,というようにだんだん思考がマヒしているような感じ。

 

飽和する嬌声はいつか刃を成して
崩れた世界に終わりを穿つ
夢一つも残さぬように

 

 『嬌声』は,辞書的な意味としては「女性の」という枕詞が付くようですが,ここでは単に「こびへつらって出す声」というようなイメージです。欲しがるものが誰のものでもない,なんていうのはめったにあるものではなく,ほとんどの場合は誰かがすでに所有していたり,対価が必要だったりするわけです。そういったものを何とか(軽い対価で)手に入れようとすることを『嬌声』で表現していて,それが『飽和する』ということは世界中でそんな光景が繰り広げられているということ。当然そういった都合良いことは常に許されるわけではなく,次第に争いの種となったりもしていきます。それが『刃を成して』ということ。すでに崩壊しかけた世界でそんな争いが起こり続けて,最終的には『夢一つも残らぬ』世界へと終わっていくのです。

 

悲しさばかりを持ち寄って救いを乞う
泥塗れのこの世界に祈りを

 

 奪われた側は奪われた側として,『悲しさばかりを持ち寄って救いを乞う』わけなんですが,自分たちも奪っている側かもしれないということは一切棚上げしています。あまりにも汚く,自分勝手なものばかりがはびこる世界が『泥塗れの世界』です。そんな世界でも現実である以上生きていくしかないんですね,ほんとうに嫌ですが。でも当然ながらその世界の一員である以上自分もサイクルの中に組み入れられていて,そんな自分もほんとうに嫌で仕方がない。その鬱屈した思いが一切を棚上げした『祈り』に繋がるわけです。

 

一思いに壊してくれ神様どうか
馬鹿になってしまえば楽なのに
狂い始めた未来に縋るなら
正解(ただしさ)なんて必要ないから

 

 承前の『祈り』を受けて,その内容を示しています。『一思いに壊してくれ』というのはもうどうしようもなくなってしまった世界を何とかしようと思ったら,もう全部壊すしかないですね(遊戯王ZEXAL IIのEDを思い浮かべながら)。『馬鹿になってしまえば』は最近のマイブームフレーズで,要は一切の打算や何やらを捨ててしまえば,その方が寧ろ良い結果をもたらすのでは?という思いです。『狂い始めた未来に縋る』のはおかしくなっていく世界にそれでも期待すること。そんな風に期待するなら自分も狂っていくしかない,という諦観(そんなことは無いだろ,という向きもあるかもしれませんが,自分の思想は基本的に諦観から成っているので)。前述のように狂った世界には『正解』なんてものはない(思考停止)なので,そんなもの『必要ないから』と言っています。まぁある意味『馬鹿になって』いるかもしれませんね。知らんけど。

 

 以上,こんな感じでした!最近の陰鬱歌詞はこういうお気持ちから成り立っているので最悪な気持ちになってます(はやく過激思想から脱したい)。

 

2021年bilibili動画ボカロ10選

 今年もbilibiliのボカロ曲で10選やります。修羅場を数多く抱えてしまっていたため,2021年分を2022年にやるとかいう感じになってしまいました。今回も,前回同様bilibiliぼからんのレギュレーションに沿ってやっていきます。今年は1/1から12/31までbilibiliに触れられ続けたので,去年よりもちょっとだけ深めにできてたら嬉しいですね。

 

2020年はこちら↓

flumpticnaam.hatenablog.jp

 

1. 高考应援原创曲《不负韶光》【洛天依/乐正绫】

www.bilibili.com

 

 今年も1発目は国風系統から。2021は国風VOCAROCKの年といってもいいくらいには個人的にハマりまくっていました。これは国風VOCAROCKのタイプ標本といってもいいくらいド直球な曲です。古筝がアルペジオ的な動きで支えつつ,リフを笛子がしっかりと演奏していくという感じ。Bメロで静かになって太鼓で倍どりくらいの気持ちでビートを刻むのもあるあるです。また,VOCAROCK的な要素としてシンコペのかかった4536なんかもそれっぽさであります。メロはやはり47抜きを軸にしてたまに7が入ってくるイメージです。惜しむらくはもっと中国の(怪しい)民族楽器がパシャン!とかやってるともっとど真ん中。とはいえ雰囲気明るめで良い感じです。

 

2. 【Vsinger全员原创曲】墨纸鸢【洛天依/乐正绫/言和/乐正龙牙/墨清弦/徵羽摩柯】南亭阙 第四卷

www.bilibili.com

 

 また国風系統の曲です。ジャンル的にはFuture Bassなんでしょうか。ただ全編通じて3拍子なので,かなり独自性が高い曲な気がしています。作者の米库喵さん(最近改名して「恩雅NYA」になったっぽい?)はこういう国風電音(国風要素の入ったエレクトロサウンドの総称)のトップランナーでもあるので,そういった部分もいかんなく発揮されています。サビ(ドロップ)のブヲーンみたいなベースもクラブとかで聴いたら気持ちいいんだろうなぁという感じですし,全体的にクラブサウンドとしてまとまりがよく,すごく好きです。ボカロ調声についてもすさまじく上手いと思うのですが,中国では[_0]を積極的に使ってるような印象がない中でこの曲はかなりいっぱい使われていて,そういった部分でも独自性を感じます。

 

3. 【洛天依原创】饿魔烧酒

www.bilibili.com

 

 3曲目はずっと追いかけ続けているChiliChillの曲から。ジャンル的にはポップスだと思うのですが,構成的にはサビがドロップっぽくなっており,あまりポップス全開という感じでもなさそうです。Bメロに謎のチャカポコが入っておりすごく楽しいです。サウンドの中には琴や二胡がふんだんに使われており,自分の中で国風サウンドからの引力がすさまじく強いらしいことが分かってきました。最近のChiliChillサウンドはネオソウルとかLo-Fi HipHop的なゆったり系が多いのですが,ここにもそれっぽい雰囲気はあってあんまり激しめビートの主張はなく,後ろの音程楽器も(サビを除いて)あまり動き回ったりしてないなぁという印象です。余談ですが,Bメロの歌詞は般若心経っぽい。

 

4. 【洛天依海伊原创】洗脑日记

www.bilibili.com

 

 実はbilibiliでも(一瞬だけ)短い曲が流行っていました。これはその時にドカンと売れた感じの曲の1つです。早回しのTrapビートに歌が乗っている感じのサウンドで,日本で流行っていた(と思う)短めロックサウンド(すりぃ,DECO*27など)とは毛色が違うかなぁという印象です。割と早口なところは共通しており,最近流行りの丸の内系のコードなのでその辺の共通点はあります。bilibiliボカロシーンに日本の流行りが大きく影響を与えている(最近はピノキオピー,DECO*27,稲葉曇などが人気)ので,そういったところから要素を持ってきつつ,中国で流行りそうな雰囲気を突っ込んだ感じだと思います。サクッと聴けて楽しいのでとても好きです。

 

5. 【洛天依原创】畸形维纳斯

www.bilibili.com

 

 Future Bassだと思います(多分)。決して音作りがずば抜けて上手いとか,そういうことはないんですが,単純にサビの展開がすごく好きです。サビが2ループから構成されていて,1回目は静かに,2回目はFuture Bass的にパッドの厚さが増して一気に派手になる感じ。個人的な気持ちとして,やっぱり展開が多いほどうれしいというものがあるのですが,ただメロが増えるのではなくて厚みの違うオケで繰り返しの冗長さを避ける,みたいな展開がかなり好きです。あと歌詞がどことなくプリキュアっぽくて好き。

 

6. 【洛天依原创曲】夏虫【2021官方生贺曲】

www.bilibili.com

 

 洛天依の公式誕おめ曲です。去年もランクインさせていたのですが,やはり公式の誕おめ系統は気合が入っていてかなり良いです(今年はその系統が10選に入りすぎているようにも思いますが)。これはジャンルがいまいちわからないのですが,個人的にはPoter Robinsonみを感じています。フィルターが開いていくBメロの感じなんかはミクノポップっぽさもあるんですが,サビで超デカくなる感じがポタロビっぽい。あとサビ入りのメロがポタロビで聴きがちな音程な気がする(嘘かもしれない)。

 

7. 【洛天依原创】《哈利波特·学院印象曲系列》赫奇帕奇

www.bilibili.com

 

 中国にはハリポタイメソンという謎文化が存在している(中国同人界隈でハリポタが人気らしい)のですが,これはそれの1つで,ハッフルパフのイメソンみたいです。自分自身がハリポタ未履修(ダレンシャン派だったので......)なので,ハッフルパフがどういう寮なのか分からないのですが,超ケルトらしいという理解をしました。この曲はボカロ界隈でもかなり珍しいケルト調の曲で,メロの展開もそれほど激しくなく,短めのパッセージを繰り返している感じもそれっぽいのかなぁという印象です。中国の曲なんですが,実は歌詞が英語で聴きやすさもあります。

 

8. 【徵羽摩柯原创曲】沙城【2021官方生贺曲】

www.bilibili.com

 

 公式誕おめ曲その2です。これは徵羽摩柯(ジユモカ)くんの誕おめ曲です。ショタ枠でマジ萌えなんですがそれはさておき,かなり完成度の高いPOPSです。良い感じにピチカートの入ってくる曲が刺さりがちというのもあって,かなりぶっ刺さってます。静かめに入ってきて,あまり重たくないドラム隊でビートを刻み,軽やかな笛とかBメロでちょっと暗くなってサビでグッと広がりを増す感じなんかが特に好きです。1番サビ後にちょっと変なことするのも最近の好みにドンピシャです。

 

9. 【言和原创曲】折光【2021官方生贺曲】

www.bilibili.com


 公式の誕おめ曲その3です。これは言和(イエンホ)さんの誕おめ曲です。作者のTSARさんという方は中国でイケイケのトラックメイカーなんですが,ドロップのデッカい曲を書くことに定評があります。これもご多分に漏れずドロップで一気に盛り上がって嬉しい曲です。リズム隊的にはFuture Bass(?)っぽいんですが,生ドラム系の音を多用していて,個人的にはこういう方向性のクラブ系っぽいポップスも好きです。ラストドロップで4つ打ちになるところなんかも「わかる~~~~~」って感じです。

 

10. 【言和原创】过期誓言【言和诞生祭2021】 《諾II:誓》收录曲

www.bilibili.com

 

 〆はこれ。言和さんの誕生日イベントで企画されたコンピの中の1曲。明らかにイントロから良いエレピが鳴っているんですが,シンセとかギターとかブラスの絡みがめちゃくちゃに良く,2021で出会ったポップスの中で一番良かったまであります。2番Aメロのオケにフィルターかける感じとかも展開としてわかるな~~という感じで,ソロもかなり良い。かなりの衝撃を受けた曲でした。

 

 というわけで2021年のbilibili動画ボカロ10選でした。2022年は積極的に国風を漁っていくこと,国風の曲を作ること,再生数1000くらいのボカロ曲を積極的に漁っていくことを目標にしていきます。

2021リリース良かった曲

 吉田音楽製作所の企画でやります。どうせ皆日本とか欧米の曲を上げてくるだろうから逆張ってbilibiliオンリーでやります。日本とかの曲はまたの機会に(たぶんまとめない)。bilibiliボカロ10選は別でやるつもりで、ここではボカロ以外も積極的に上げていきます。

 

1. 【洛天依原创】饿魔烧酒

https://www.bilibili.com/video/BV1pU4y1771r

 

一発目はボカロ曲。Spotifyでもセルフカバー版が配信されています。

open.spotify.com

(タイトル違うの何でなんだ......)

おっさんのチャントとか怪しいチャカポコパーカッションとかとても楽しい曲。Bメロで雰囲気が変わるのもめちゃくちゃ好き。ポップスのはずなんですけど,サビ(?)はドロップみたいな展開の仕方になっています(好き)。ボーカルの声づくりも上手くて最強か~~~~???になります。

 

2. 【洛天依原创曲】夏虫【2021官方生贺曲】

https://www.bilibili.com/video/BV1Hf4y1L7MF

 

洛天依公式の誕おめソング。作曲者のLSという人について,自分は勝手に「中国のyunomi」とか「中国のSeven Lions」とか呼んでいたんですが,今回「中国のポーターロビンソン」が追加されました。何でもできてすごい。

 

3. 【战双帕弥什】「伊甸文化纪」开幕曲Full Ver. - Dancing tonight

https://www.bilibili.com/video/BV1sv41177HZ

 

今年イチ良いDiscoです。マジ。中国のDiscoシーンどうなってるんだ。

 

4. 《原神》宵宫 同人EP-「刹那如梦人生」【Mons原创】

https://www.bilibili.com/video/BV1Vq4y1H7LP

 

原神のイメソンらしいです。中国の曲なのになんで日本語なんでしょう。お祭り感あふれるアレンジで,暗闇のパレード / ゆちゃ とかこういう系のサウンド好きなんですよね。ラスサビで韻をわざと(?)外してるのも最高に気持ちいい。

 

5. 【苍穹2021诞生日+ft.赤羽】Dancing like a wind『吉光片羽Queendom』专辑收录曲

https://www.bilibili.com/video/BV1i64y1d7iQ

 

ボカロエレクトロ系統の曲。たぶんFuture Bounce?だと思います。音の処理めちゃくちゃしっかりしてて,この曲めっちゃクラブで聴きたいです(DJちょっと始めたのでいつか自分でかけたい)。

 

6. 【Vsinger全员原创曲】墨纸鸢【洛天依/乐正绫/言和/乐正龙牙/墨清弦/徵羽摩柯】南亭阙 第四卷

https://www.bilibili.com/video/BV1W54y1W7Pb

 

3拍子FutureBass(たぶん)。米库喵さんのFutureBass系の曲は常に独自路線が入っていて良い。

 

7. 高考应援原创曲《不负韶光》【洛天依/乐正绫】

https://www.bilibili.com/video/BV1g54y1V7Ag

 

国風VOCAROCKです。マジで好き。中国ボカロ曲あるあるなんですが,関わってる人がめちゃくちゃ多くてコミュ力すごいな~って気持ちになります(こなみ)。

 

8. 【洛天依原创】《哈利波特·学院印象曲系列》赫奇帕奇

https://www.bilibili.com/video/BV1tL4y1Y7iF

 

中国には何故かハリポタイメソン文化があるんですが,そのうちの一曲。これはハッフルパフのイメソンらしいです。ケルトっぽい感じのボカロ曲はものすごーく珍しいのでそういう意味でも貴重です。中国語かと思いきや英語詞なので聴きやすくもあります。

 

9. 【言和原创】过期誓言【言和诞生祭2021】 《諾II:誓》收录曲

https://www.bilibili.com/video/BV1KB4y1N7Lc

 

今年リリースされたボカロポップス枠で最も良い曲です。マジ。ブラスの絡みもオルガンも全部良いです。CDはやく買わなきゃ......(個人輸入)。

 

10. 【徵羽摩柯原创曲】沙城【2021官方生贺曲】

https://www.bilibili.com/video/BV19L411776s

 

中国ボカロのショタ枠こと徵羽摩柯くんの誕生日曲。マジで萌え。いや,これはキャラの感想なだけではなく,曲も可愛い感じ。といいつつもちょっと変なこと(サビ後間奏)もやっていて本当に好き。もう語彙力がない。

読書備忘録2021-84『楽園残響 楽園追放2.0-Godspeed You-』/ 大樹連司

 楽園追放です。映画のノベライズを読んだことはあったんですが,これを買ったあたりで映画版の無料公開を発見したのでそれも見ました。3Dもしっかり使って戦闘シーンなんかを作りこんであり,映像作品としてもかなり良かったです。ストーリーは言わずもがな。

 さて,これは本編の後日譚的な話。もういい加減楽園側もフロンティアセッター君を放っておいてあげればいいのにね。舞台装置として,人格をデータとして凍結してあるわけなので再構築して物語を展開させることは可能だよなぁ,っていうのは思っていて,やっぱりそう来たか~という思いがありました。ただ,それだけに留まらず,下級市民の話も出てきて嬉しさがあります。フロンティアセッター君の呼びかけってどう考えても(おそらく最も呼びかけの効果がありそうな)下級市民に広く効果があったように思えないんですよね。そういう意味で原作本編側において言及が足りなかったと思われる部分が良い感じに補完されていて良かったです。

 オススメとかもうすっかり忘れててウケる。今回もなしで。では。

読書備忘録2021-48 ~ 83

 またサボってたんだけど。どうして?

 

(2021/09/29追記)

読んで感想的なのを書くまでの間にもう一冊終わる,みたいなのを繰り返した結果収拾がつかなくなってきたので,もう書いてなかった分については読んだ本のリストだけ書き出します。

(追記おわり)

 

2021-48『あなたの人生の物語』/テッド・チャン 浅倉久志

 映画になっていたのは前々から知っており,原作を読むかなぁという気持ちだった(映画を先に観るとイメージが完全に固定されそうで嫌という気持ち)ので,半額セールでポチりました。表題作はなるほどかなり良い感じで,ある種ファーストコンタクトものといった風情もありつつ,因果論的世界と目的論的世界との交錯を描いている感じでしょうか。一つだけ言うことがあるとすれば,「映画ポスターのあのばかうけはいったい何?」です。何なんでしょうね,あれ。

 そのほかの作品も,アルジャーノン好きそう~とか平面説ならぬトーラス説かな?みたいな作品があり,読んでいて楽しかったです。

 

2021-49『天体の回転について』/ 小林泰三

 ほぼ表紙買いだったような気がします。SFだと思っていたんですが,かなり内容が多岐にわたっており,それもそのはずで作者はホラーもの(と一般に言われている)を書く方なようで。個人的には『灰色の車輪』が好きで,あるあるといえばあるあるだと思うんですが,知能を持ったロボットがいかに3原則を超えるか,といった風情。

 

2021-50 ~ 54『STEINS;GATE』/ 三輪清宗

 シュタゲは教養(要出典)。それはともかくとして一度は読んでみたかった(こういうとき漫画とかゲームとかに手を出さないあたり活字中毒だよなぁ,と)(これは罠で,完全に自分のペースで進められる小説が一番ストレスが少ないというのがあります)。予備知識ゼロだったのでそれなりに楽しめましたが,一方でスピンオフの回はちょっとアレでした。まぁ致し方なし。こういった作品はいつでもSF的読み方をしてしまうので設定のあら捜し的なことをやってしまうのですが,パラドックス回避の手段がしっかり取られていてよかったなぁという感想です。個人的にはリーディングシュタイナーをそんなに乱発してほしくなかったなぁという気持ちが少しだけありますが,もっと救い無いオチでもええんやで。

 

2021-55 ~ 63『神さまのいない日曜日』/ 入江君人

 一言でいってド性癖でした。ある種ポストアポカリプス作品なんだと思います。人の死が死でなくなった世界でどう生きるのか,といった風情があります。バカスカ死んでいく(これは罠で,死ぬけど死にません)けれどそんなに重くならないのが良いのか悪いのか。オチは少し消化不良だったんですが,まぁ時代柄,作品柄そんなもんなのかな,という感じです。

 

2021-64『現代数学概論』/ 赤攝也

 もう少し入門的な内容を想像していたのですが,思っていたよりもガッチガチの内容でした。正直全く理解できていません。でもこういう世界があることを知ることは大事だと思うの(自己肯定)。

 

2021-65 『完全教祖マニュアル』/ 架神恭介, 辰巳一世

 どこかで名前を聞いたことがあって,気づいたらKindleのセール対象になっていたので衝動的に......。所謂バカ本なんだろうと思っていたのですが,思いのほかちゃんとしていました(あまりに失礼)。キリストとかブッダとか,宗教の創始者の異常性というか各時代からの浮世離れした感じというか,そういったものがかなり平易に書かれていて読みやすく,面白かったです。さすがにこれを読んで教祖になれるかは別だと思いますが。

 

2021-66 ~ 69『クレギオン』シリーズ / 野尻抱介

 推し作家の原点らしいです。まだ全作読めていない(というか新刊でも見かけないし中古市場にもほとんど出回っておらず,なかなかに入手難度が高い)のですが,やっぱり好きです。こういうお仕事もの(?)のSFが最近特に好きになってきており,若干コメディ要素というか,有り体に言ってしまうとラノベっぽい感じがあるのがかなり好みです。相変わらず宇宙の作りこみがしっかりしており,超科学的な内容もありはする一方でそれには極力触れないという一種の哲学じみた感じがすごく気分良いです。

 

2021-70『バビロンIII-終-』/ 野﨑まど

  三作目。はやく続きを出してくれ。ともかく今回はあまりタヒにませんでした。けれどもかなりの重要人物がアレしちゃうのでアレです(ネタバレ配慮)。とりあえず「おもしれ~」以外に書くことがないんですが,これがアニメ化してたの本当に信じられない(PG12なりかねないでしょ)。

 

2021-71『群青神殿』/ 小川一水

  お仕事×海洋SFです。めちゃ好き。

 

2021-72『BLAME! THE ANTHOLOGY』/ 原作: 弐瓶勉, 九岡望小川一水・野﨑まど・酉島伝法・飛浩隆

 オタクの例にもれずBLAME!が大好き(というか二瓶作品が好き)なのですが,それに野﨑まどとの化学反応を楽しみにしていました。中身としては全体的に好みが詰まっており,特に小川一水先生の作品がド真ん中ぶっ刺さりました。

 

2021-73『なめらかな世界と、その敵』/ 伴名練

 

2021-74『大絶滅恐竜タイムウォーズ』/ 草野原々

  ほんまに悪いオタク。全作が割とハッピーエンド(解釈は人それぞれ)だったので今回はどうなのかな~って思っていた時期が私にもありました。ヌルっと時間がバカみたいに経過したり,時事ネタをぶち込んできたり,ナレーション形式で話が進んだりと,慣れてないと人は困惑しそうだな~という印象。恐竜と銘打ってますが,恐竜だけじゃなく,アノマロカリスたんとか色々出てきます。人によっては「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」などとなる可能性も無きにしも非ずです。

 

2021-75『日本語はどういう言語か』/ 三浦つとむ

  お勉強シリーズ。個人的にはそこまで納得できなかった部分もありました。作者はアカデミア出身ではなさそうで(そういうことを考えるのは権威主義的なのでほんとうにやめたほうがいい),これが主流派なのかもイマイチわかりません。少なくとも,主流的な考え(当時)に対して割に歯向かっているような印象でした。ただ,助詞の解釈なんかはかなり納得できる部分が多く,「は」と「が」の使い分けにおける意味の違いなんかは特になるほどなァ~という感じでした。

 

2021-76『2』/ 野﨑まど

  これまでの野﨑まど作品のキャラクターが勢ぞろいという感じでアツかったです。『[映]アムリタ』,『舞面真面とお面の女』,『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』,『小説家の作り方』,『パーフェクトフレンド』をすべて読んでから読むのをお勧めします。野﨑まどっぽい狂気にあふれていて面白かった。

 

2021-77『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』/ 大森望

 ほんとうに良くないことなんですが,これ,読んだことがあるのを忘れて再購入しました。しかも読み終わった後に本棚の後ろから発見されるというオチ付き。ほんとうに馬鹿。内容はめちゃくちゃ良いです。特に野﨑まどの『第五の地平』は本当に素晴らしい短編だと思います。バカSFっぽさもありながら図表付きでしっかり説明してくれるのもポイント高い。力点とかいうプレゼン用のアプリケーション,どっかで聞いたことあるよな~。

 

2021-78『経済学講義』/ 飯田泰之

 

2021-79『日本SFの臨界点[怪奇篇]ちまみれ家族』/ 伴名練 編

 

2021-80『日本SFの臨界点[恋愛篇]死んだ恋人からの手紙』/ 伴名練 編

 

2021-81『たたかう植物-仁義なき生存戦略』/ 稲垣栄洋

 

2021-82『エジプト神話集成』/ 杉勇, 屋形禎亮

 

2021-83『ラスト・レター』/ 笹本祐一

読書備忘録2021-36~47

 全然書いてなかったら馬鹿みたいに溜まっててワロタ。まとめて書きます。

2021-36『ドグラ・マグラ』/ 夢野久作

 日本三大奇書でしたっけ。一度は読んどくべきかな~などと軽い気持ちで手を出したものの,やっぱ無理でした。辛うじて何言ってるかは読めるんですが,どうにも意味が分からない。これは所謂日本近代文学全般に対する自分の評価(好悪)なので何ともしがたいところがあります。読んだら気が狂うとか言われてるらしいですが,これが理解できる人は本当にすごいと思います。

 

2021-37『そいねドリーマー』/ 宮澤伊織

 箸休め的に軽そうなやつを読みました。『裏世界ピクニック』とは打って変わって怪奇色はあまりなく,どちらかというとファンタジーですね。とはいえやはり百合モノなので作者の性癖を感じていました。ストーリー的にどんどん認識がおかしくなっていく感じ(不安定になっていく感じ)を文章でしっかりと示しており,めちゃくちゃ技巧的だったように思います。ラストはなかなかどうして自分の性癖に近いモノをぶつけられたので気持ち悪い笑顔になってました。ここ最近のベスト本です。

 

2021-38『興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和』/ 林佳世子

 学術書シリーズその1。Kindleで半額になっていたのでつい手を出してしまった。何度も言うようにアラブが好きであり,かつコンスタンティノープル大好きオタクなのでオスマン帝国は歴史上の国の中で1,2を争うくらい好きです。ちなみに同率くらいで好きなのがヤゲウォ朝リトアニアポーランド連合王国です。影の薄い強国がすき。この本は,オスマン帝国の前近代を中心に国家制度などの変遷から紐解いていった本で,通史的な高校世界史を学んだ後にこういうのを読んで知識を深めていくのが堪らないんですよね。

 

2021-39『グノーシスの神話』/ 大貫隆

 学術書シリーズ2。エヴァが好きだとキリスト教の異端とか聖書の外典とか周辺知識ばかり気になることありませんか?自分はめちゃくちゃあります。グノーシス主義という名前はどこかで聞き及んでいたものの,内容は全く知らなかったため勉強しようと軽い気持ちで読み始めましたが,まぁさっぱり分かりませんでした。キリスト教のくせに多神教的な要素がかなり強く,その他宗教にも派生していった思想だということは辛うじて分かった気がしますが,相当難しいです。予備知識が一切無かったのが良くなかったと反省しています。そのうち勉強し直して読み直そうと思ったり思わなかったり。

 

2021-40『興亡の世界史 インカとスペイン 帝国の交錯』/ 網野徹哉

 学術書シリーズ3。中南米はアラブの次に好きです。なぜなら地元に中南米美術館というニッチすぎる美術館があるから。もう少し古い時代のことも扱うかと思っていましたが,あくまでスペインによるインカ帝国の征服から話をスタートするという立場です。特に面白かったのは,スペイン本国の宗教を巡る政治状況が植民地にもかなり波及していたという話。ざっくりとしか触れられない通史を学んだ後でこういうのを読むから堪らない(2回目)。

 

2021-41~43『霊感少女は箱の中1~3』/ 甲田学人

 ここからラノベゾーン。推し作家であるところの甲田学人先生です。『断章のグリム』シリーズからずっと読み続けています。ホラー・オカルト系のシリーズで,『断章のグリム』からそうなのですが,ホラー描写で文が途切れ途切れになり,繰り返しが多用されるという文体がすごく好きです。まだ未完のシリーズっぽく,はやく続きが読みたくてソワソワしています。

 

2021-44~46『ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション上・中・下』/ 甲田学人

 同上。ホラーの展開がやはり良い。これはこの作者にしては珍しく(?)学園モノではないです。ずっと引っ張ってきた怪奇現象をあっさり何でも無いもの(畏怖の念を与えるための装置)に変えてしまうあたり熟れているなぁという印象です。

 

2021-47『ノロワレ 人形呪詛』/ 甲田学人

 同上。学園モノのホラーです。こういうホラー作品を「ファンタジー」と言い張る辺り作者と自分の思考回路が似ているなぁと(影響されているというのは多分にある)。人形をテーマにしたホラーものはかなりの数あり,どこまで独自性が出せるかは謎ですよね(そんなに他のものと差別化が図れているようには思えなかった)。とはいえ,「何でも無いもの」が畏れによって呪いと化すというような展開はこの作者の十八番であります。

 

 はい,ここまで書きました。読むのをサボっていたのではなく,書くのをサボっていただけです。どうか許して。ちなみに本の馬鹿買いはもっとやってるのでこの先まだまだ読む本が積んであります。どうしてこうなったんでしょうか。

 では。