読書備忘録2021-85『楽園残響 楽園追放2.0-Godspeed You-』/ 大樹連司

 楽園追放です。映画のノベライズを読んだことはあったんですが,これを買ったあたりで映画版の無料公開を発見したのでそれも見ました。3Dもしっかり使って戦闘シーンなんかを作りこんであり,映像作品としてもかなり良かったです。ストーリーは言わずもがな。

 さて,これは本編の後日譚的な話。もういい加減楽園側もフロンティアセッター君を放っておいてあげればいいのにね。舞台装置として,人格をデータとして凍結してあるわけなので再構築して物語を展開させることは可能だよなぁ,っていうのは思っていて,やっぱりそう来たか~という思いがありました。ただ,それだけに留まらず,下級市民の話も出てきて嬉しさがあります。フロンティアセッター君の呼びかけってどう考えても(おそらく最も呼びかけの効果がありそうな)下級市民に広く効果があったように思えないんですよね。そういう意味で原作本編側において言及が足りなかったと思われる部分が良い感じに補完されていて良かったです。

 オススメとかもうすっかり忘れててウケる。今回もなしで。では。

読書備忘録2021-48 ~ 83

 またサボってたんだけど。どうして?

 

(2021/09/29追記)

読んで感想的なのを書くまでの間にもう一冊終わる,みたいなのを繰り返した結果収拾がつかなくなってきたので,もう書いてなかった分については読んだ本のリストだけ書き出します。

(追記おわり)

 

2021-48『あなたの人生の物語』/テッド・チャン 浅倉久志

 映画になっていたのは前々から知っており,原作を読むかなぁという気持ちだった(映画を先に観るとイメージが完全に固定されそうで嫌という気持ち)ので,半額セールでポチりました。表題作はなるほどかなり良い感じで,ある種ファーストコンタクトものといった風情もありつつ,因果論的世界と目的論的世界との交錯を描いている感じでしょうか。一つだけ言うことがあるとすれば,「映画ポスターのあのばかうけはいったい何?」です。何なんでしょうね,あれ。

 そのほかの作品も,アルジャーノン好きそう~とか平面説ならぬトーラス説かな?みたいな作品があり,読んでいて楽しかったです。

 

2021-49『天体の回転について』/ 小林泰三

 ほぼ表紙買いだったような気がします。SFだと思っていたんですが,かなり内容が多岐にわたっており,それもそのはずで作者はホラーもの(と一般に言われている)を書く方なようで。個人的には『灰色の車輪』が好きで,あるあるといえばあるあるだと思うんですが,知能を持ったロボットがいかに3原則を超えるか,といった風情。

 

2021-50 ~ 54『STEINS;GATE』/ 三輪清宗

 シュタゲは教養(要出典)。それはともかくとして一度は読んでみたかった(こういうとき漫画とかゲームとかに手を出さないあたり活字中毒だよなぁ,と)(これは罠で,完全に自分のペースで進められる小説が一番ストレスが少ないというのがあります)。予備知識ゼロだったのでそれなりに楽しめましたが,一方でスピンオフの回はちょっとアレでした。まぁ致し方なし。こういった作品はいつでもSF的読み方をしてしまうので設定のあら捜し的なことをやってしまうのですが,パラドックス回避の手段がしっかり取られていてよかったなぁという感想です。個人的にはリーディングシュタイナーをそんなに乱発してほしくなかったなぁという気持ちが少しだけありますが,もっと救い無いオチでもええんやで。

 

2021-55 ~ 63『神さまのいない日曜日』/ 入江君人

 一言でいってド性癖でした。ある種ポストアポカリプス作品なんだと思います。人の死が死でなくなった世界でどう生きるのか,といった風情があります。バカスカ死んでいく(これは罠で,死ぬけど死にません)けれどそんなに重くならないのが良いのか悪いのか。オチは少し消化不良だったんですが,まぁ時代柄,作品柄そんなもんなのかな,という感じです。

 

2021-64『現代数学概論』/ 赤攝也

 もう少し入門的な内容を想像していたのですが,思っていたよりもガッチガチの内容でした。正直全く理解できていません。でもこういう世界があることを知ることは大事だと思うの(自己肯定)。

 

2021-65 『完全教祖マニュアル』/ 架神恭介, 辰巳一世

 どこかで名前を聞いたことがあって,気づいたらKindleのセール対象になっていたので衝動的に......。所謂バカ本なんだろうと思っていたのですが,思いのほかちゃんとしていました(あまりに失礼)。キリストとかブッダとか,宗教の創始者の異常性というか各時代からの浮世離れした感じというか,そういったものがかなり平易に書かれていて読みやすく,面白かったです。さすがにこれを読んで教祖になれるかは別だと思いますが。

 

2021-66 ~ 69『クレギオン』シリーズ / 野尻抱介

 推し作家の原点らしいです。まだ全作読めていない(というか新刊でも見かけないし中古市場にもほとんど出回っておらず,なかなかに入手難度が高い)のですが,やっぱり好きです。こういうお仕事もの(?)のSFが最近特に好きになってきており,若干コメディ要素というか,有り体に言ってしまうとラノベっぽい感じがあるのがかなり好みです。相変わらず宇宙の作りこみがしっかりしており,超科学的な内容もありはする一方でそれには極力触れないという一種の哲学じみた感じがすごく気分良いです。

 

2021-70『バビロンIII-終-』/ 野﨑まど

  三作目。はやく続きを出してくれ。ともかく今回はあまりタヒにませんでした。けれどもかなりの重要人物がアレしちゃうのでアレです(ネタバレ配慮)。とりあえず「おもしれ~」以外に書くことがないんですが,これがアニメ化してたの本当に信じられない(PG12なりかねないでしょ)。

 

2021-71『群青神殿』/ 小川一水

  お仕事×海洋SFです。めちゃ好き。

 

2021-72『BLAME! THE ANTHOLOGY』/ 原作: 弐瓶勉, 九岡望小川一水・野﨑まど・酉島伝法・飛浩隆

 オタクの例にもれずBLAME!が大好き(というか二瓶作品が好き)なのですが,それに野﨑まどとの化学反応を楽しみにしていました。中身としては全体的に好みが詰まっており,特に小川一水先生の作品がド真ん中ぶっ刺さりました。

 

2021-73『なめらかな世界と、その敵』/ 伴名練

 

2021-74『大絶滅恐竜タイムウォーズ』/ 草野原々

  ほんまに悪いオタク。全作が割とハッピーエンド(解釈は人それぞれ)だったので今回はどうなのかな~って思っていた時期が私にもありました。ヌルっと時間がバカみたいに経過したり,時事ネタをぶち込んできたり,ナレーション形式で話が進んだりと,慣れてないと人は困惑しそうだな~という印象。恐竜と銘打ってますが,恐竜だけじゃなく,アノマロカリスたんとか色々出てきます。人によっては「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」などとなる可能性も無きにしも非ずです。

 

2021-75『日本語はどういう言語か』/ 三浦つとむ

  お勉強シリーズ。個人的にはそこまで納得できなかった部分もありました。作者はアカデミア出身ではなさそうで(そういうことを考えるのは権威主義的なのでほんとうにやめたほうがいい),これが主流派なのかもイマイチわかりません。少なくとも,主流的な考え(当時)に対して割に歯向かっているような印象でした。ただ,助詞の解釈なんかはかなり納得できる部分が多く,「は」と「が」の使い分けにおける意味の違いなんかは特になるほどなァ~という感じでした。

 

2021-76『2』/ 野﨑まど

  これまでの野﨑まど作品のキャラクターが勢ぞろいという感じでアツかったです。『[映]アムリタ』,『舞面真面とお面の女』,『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』,『小説家の作り方』,『パーフェクトフレンド』をすべて読んでから読むのをお勧めします。野﨑まどっぽい狂気にあふれていて面白かった。

 

2021-77『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』/ 大森望

 ほんとうに良くないことなんですが,これ,読んだことがあるのを忘れて再購入しました。しかも読み終わった後に本棚の後ろから発見されるというオチ付き。ほんとうに馬鹿。内容はめちゃくちゃ良いです。特に野﨑まどの『第五の地平』は本当に素晴らしい短編だと思います。バカSFっぽさもありながら図表付きでしっかり説明してくれるのもポイント高い。力点とかいうプレゼン用のアプリケーション,どっかで聞いたことあるよな~。

 

2021-78『経済学講義』/ 飯田泰之

 

2021-79『日本SFの臨界点[怪奇篇]ちまみれ家族』/ 伴名練 編

 

2021-80『日本SFの臨界点[恋愛篇]死んだ恋人からの手紙』/ 伴名練 編

 

2021-81『たたかう植物-仁義なき生存戦略』/ 稲垣栄洋

 

2021-82『エジプト神話集成』/ 杉勇, 屋形禎亮

 

2021-83『ラスト・レター』/ 笹本祐一

読書備忘録2021-36~47

 全然書いてなかったら馬鹿みたいに溜まっててワロタ。まとめて書きます。

2021-36『ドグラ・マグラ』/ 夢野久作

 日本三大奇書でしたっけ。一度は読んどくべきかな~などと軽い気持ちで手を出したものの,やっぱ無理でした。辛うじて何言ってるかは読めるんですが,どうにも意味が分からない。これは所謂日本近代文学全般に対する自分の評価(好悪)なので何ともしがたいところがあります。読んだら気が狂うとか言われてるらしいですが,これが理解できる人は本当にすごいと思います。

 

2021-37『そいねドリーマー』/ 宮澤伊織

 箸休め的に軽そうなやつを読みました。『裏世界ピクニック』とは打って変わって怪奇色はあまりなく,どちらかというとファンタジーですね。とはいえやはり百合モノなので作者の性癖を感じていました。ストーリー的にどんどん認識がおかしくなっていく感じ(不安定になっていく感じ)を文章でしっかりと示しており,めちゃくちゃ技巧的だったように思います。ラストはなかなかどうして自分の性癖に近いモノをぶつけられたので気持ち悪い笑顔になってました。ここ最近のベスト本です。

 

2021-38『興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和』/ 林佳世子

 学術書シリーズその1。Kindleで半額になっていたのでつい手を出してしまった。何度も言うようにアラブが好きであり,かつコンスタンティノープル大好きオタクなのでオスマン帝国は歴史上の国の中で1,2を争うくらい好きです。ちなみに同率くらいで好きなのがヤゲウォ朝リトアニアポーランド連合王国です。影の薄い強国がすき。この本は,オスマン帝国の前近代を中心に国家制度などの変遷から紐解いていった本で,通史的な高校世界史を学んだ後にこういうのを読んで知識を深めていくのが堪らないんですよね。

 

2021-39『グノーシスの神話』/ 大貫隆

 学術書シリーズ2。エヴァが好きだとキリスト教の異端とか聖書の外典とか周辺知識ばかり気になることありませんか?自分はめちゃくちゃあります。グノーシス主義という名前はどこかで聞き及んでいたものの,内容は全く知らなかったため勉強しようと軽い気持ちで読み始めましたが,まぁさっぱり分かりませんでした。キリスト教のくせに多神教的な要素がかなり強く,その他宗教にも派生していった思想だということは辛うじて分かった気がしますが,相当難しいです。予備知識が一切無かったのが良くなかったと反省しています。そのうち勉強し直して読み直そうと思ったり思わなかったり。

 

2021-40『興亡の世界史 インカとスペイン 帝国の交錯』/ 網野徹哉

 学術書シリーズ3。中南米はアラブの次に好きです。なぜなら地元に中南米美術館というニッチすぎる美術館があるから。もう少し古い時代のことも扱うかと思っていましたが,あくまでスペインによるインカ帝国の征服から話をスタートするという立場です。特に面白かったのは,スペイン本国の宗教を巡る政治状況が植民地にもかなり波及していたという話。ざっくりとしか触れられない通史を学んだ後でこういうのを読むから堪らない(2回目)。

 

2021-41~43『霊感少女は箱の中1~3』/ 甲田学人

 ここからラノベゾーン。推し作家であるところの甲田学人先生です。『断章のグリム』シリーズからずっと読み続けています。ホラー・オカルト系のシリーズで,『断章のグリム』からそうなのですが,ホラー描写で文が途切れ途切れになり,繰り返しが多用されるという文体がすごく好きです。まだ未完のシリーズっぽく,はやく続きが読みたくてソワソワしています。

 

2021-44~46『ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション上・中・下』/ 甲田学人

 同上。ホラーの展開がやはり良い。これはこの作者にしては珍しく(?)学園モノではないです。ずっと引っ張ってきた怪奇現象をあっさり何でも無いもの(畏怖の念を与えるための装置)に変えてしまうあたり熟れているなぁという印象です。

 

2021-47『ノロワレ 人形呪詛』/ 甲田学人

 同上。学園モノのホラーです。こういうホラー作品を「ファンタジー」と言い張る辺り作者と自分の思考回路が似ているなぁと(影響されているというのは多分にある)。人形をテーマにしたホラーものはかなりの数あり,どこまで独自性が出せるかは謎ですよね(そんなに他のものと差別化が図れているようには思えなかった)。とはいえ,「何でも無いもの」が畏れによって呪いと化すというような展開はこの作者の十八番であります。

 

 はい,ここまで書きました。読むのをサボっていたのではなく,書くのをサボっていただけです。どうか許して。ちなみに本の馬鹿買いはもっとやってるのでこの先まだまだ読む本が積んであります。どうしてこうなったんでしょうか。

 では。

読書備忘録2021-35『バビロン IIー死ー』/ 野﨑まど

 久し振りの野﨑まど。やっぱいいっすね。

 前巻の『バビロン』の内容をほぼ忘れてしまっていましたが,なんとなく思い出しました。良い感じに最悪になってきて良い。これは『ゴルゴタ』/ 深見真 みたいな展開になるのかなぁとわくわくしております。

 読む時間も無い感じだし書く時間もなかなか厳しい。ので今回はこの辺で。実はここに書いてないけど読んでいる本が3冊あります。アレなので今度まとめて書きます。

 では。

読書備忘録2021-34『カーニバル・ナイト』/ 笹本祐一

 シリーズ3作目。前回から路線がちゃんと戻ってきて超能力バトルに......なってません。まぁそれを期待して読んでいるわけではないので良いです。

 ヒロイン奪還作戦が始まり,エージェントが潜入してきました。エージェントを見つけることにはそんなに時間をかけず,青春に紙幅を費やしていた感じ。自分でも何言ってるのか分からない。ただ,漠然と「青春だなぁ」という気持ちになっていた。やたら積んでいたのが本当に良くなく,これをモリモリ楽しめる時期が多分過ぎ去っているんだと思われ,何となくキツさを感じています。おそらく(少なくとも今の自分には)not for meという感じ。難しいなぁ。

 ここしばらくこういったnot for meな本を読みまくっていて,少しペースが落ちています。よほどのことが無い限り途中でやめることはしないつもりなので,ぼちぼち読んでいけたら良いですね。次は野﨑まどやるぞ!

 では。

読書備忘録2021-33『ハレーション・ゴースト』/笹本祐一

 『妖精作戦』のシリーズ2冊目です。結局シリーズ揃えちゃったよね。

 前作とは打って変わって純然たるファンタジーになりました。しかもゴッチャゴチャした情報量の多い感じ。まだ作者さんが若い時の作品らしく,めちゃくちゃな勢いでもって書いてそうだなぁ,という印象。そもそも超能力の話なので,あの世とこの世,みたいな話が出てきても特段変には思いません。ただ,やっぱりいかんせん突然すぎる方向転換(でもなくてある種スピンオフなんですが)で混乱しがち。個人的にはあんまり好きじゃなかったかもしれない。楽しみなのは最後の方に露骨に組み込まれた伏線で,どう回収してくるのか,あるいはこういった話が本題にどう絡んでいくのか,といったあたりでしょうか。なんだかんだ面白がっているので良いと思います。

 全巻終わるまではオススメ的なのはなしで!それでは。

読書備忘録2021-32『呪術廻戦 夜明けのいばら道』/ 芥見下々,北國ばらっど

 小説版の2冊目です。やっぱり面白い。

 前作と同じく,本編で触れられていないタイミングでのキャラがどんなことをしていたか,という話です。棘先輩が一番輝いてましたね。こういうの,何を話してもネタバレになる(本の内容もだし本編に触れても危うい)ので,深くは掘りません。ただ,ちょっとだけ釘崎の描写がしつこかったかなぁ,なんて気もします。あと,メカ丸は健気ですね......こういうキャラ深堀系の作品でめちゃくちゃ映えるキャラだなぁ,と感動しました。

 本当にそれほど深く書くことがないのでこの辺で。伊地知さんはしっかり休んでください。

P.S. あとがきの芥見先生のコメントで吹きました。あのエピソードより面白いのなかなかないですよ,マジで。