最近作った曲の話-StarTrail

 最近,曲を作っている(いない)のにあんまり公開していない気がしており,せっかくなら放流するかしないかは別にしていろいろ考えてたことを備忘録的に残しておこうかな~と思いました。

 

 てなわけで最初は投稿した曲から。(投稿してない曲は?)

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崩壊:スターレイルという(大流行中の!)ゲームの同人コンテストに出した曲です。自己満足の話として,その昔にNo-k.という音ゲー人格と曲を作る(ひとり合作)をflumptic名義でしており,久しぶりにそれができて良かったです。当時はあまりにも知識がなかった(今以上に!)ので相当にノリと勢いだけで作っていたところを,ある程度は考えながら作れるようになったかな~という思いがあります。

 ということで曲の話からやっていきます。いきなりですが,明確なリファレンスは「Infinity / Dark matter」,「双星轨迹」,「Reverse(溯)」,「星海漫遊 (PIKASONIC Remix)」の4曲です。あとはこれ系のMelodic Dubstep, Futurebassあたりをちまちま見てました。LS=_=が相当に好きでそれっぽいことやりて~というのがスタートの一つだったはず。

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 某氏からは「まっすぐFuturebass」と言われましたが自認はMelodic Dubstepです。改めて聴いたら全然メロダブじゃなくてワロてるけど(なにわろてんねん)。サウンドと展開はモロ「Infinity / Dark matter」で,サビ(ドロップ)2ループ目でトップのループが入ってくるのは「Reverse(溯)」ですね。あとはビルドの感じとか諸々を他の曲が,ってイメージです。あんまりよくない話,一部の音は「星海漫遊 (PIKASONIC Remix)」からサンプリングして加工して使っています。

 曲作ってた時のこだわり(?)の話。細かいところとしては,イントロのカツカツやってるのとかは列車の旅をかなり意識して,ホームを歩いている感じをイメージしています。あと,リバーブ多め広がり多めのパッドで宇宙感のようなものを出せるように頑張りました。LS=_=がめちゃくちゃにプラックの使い方が上手いので,それを参考にしながらプラックでの盛り上がり表現とかも模索しました。できてるかは知らんけど。最後にキックに重ねたチャリンみたいなフォーリーのこと。誰も気づいてないし興味もないと思うんですが,これが自分としてはかなり好きで,今後もちょくちょくやっていきたいです。

 一番のこだわりポイントであるサビのパッドについて。ここはスパソ系の音が4つくらい重なっています。低めのスパソ,高めのスパソ,質感のためのスクエア系のパッド,フランジャーでシュワシュワさせて左右に振ったスパソあたり。チュートリアルを見ながらの作業でしたが,この辺りをやっているときはまだメロダブの痕跡がありました。嘘じゃないです。

 ボーカルの話。これはSynthVの星尘infinityさんに歌ってもらっています。最近は初音ミよりも星尘さんの方が好きかも。真面目なことを言うと,SynthVはアップデートごとにボーカルのクセが強くなって(ピッチ挙動が過激になる印象),ベタ打ち段階での歌の下手さが目立つようになるうえ,エディター側での微調整がやりにくくなる(こちらは器用貧乏になっている印象)気がしており,これらのバランスが一番取りやすいのが星尘さんなんですよね。最近のSynthVさんは特に同音連打でのピッチぶれが大きくなっていてちょっと扱いづらいです。

 Vocal Tuningについて。SynthVに限らず合成音声全般について,デフォルトのビブラートは基本信用しない方が良い,というスタンスで普段やっています。曲によってはハマることもありますが,だいたいは違和感があるのでやり直しがち。今回は下の画像のような処理をやっています。

図1. 1サビ頭のノーツ

まず第一手として,ベタ打ちのノーツを全選択してマニュアルモードにし,描かれているピッチラインを全削除しています。そこから必要な部分だけパラメータからビブラートの振幅・周波数を入れ込むという流れです。VOCALOIDを長く触ってきているため,ことあるごとにノート分割をしてしまうのは悪い癖。しゃくり上げやフォール,語尾息などはなんだかんだ手動でやった方がタイミングとかつかみやすくて良いよね,というのがVOCALOID時代からの教訓です。エディターで整えた後はオーディオ化してMelodyneかけて微調整してます。当然っちゃ当然なのですが,細かいタイミング調整とかピッチぶれの修正なんかはそっちの方がやりやすいですからね。

 歌詞の話。歌詞の全体像は以下のリンク先の歌詞置き場に放流しています。

StarTrail - なあむの歌詞置き場 (hatenablog.com)

ちまちまとした歌詞のこだわりはあるのでそれについて書きます。まずは全体を通奏するテーマについて。作詞段階では明確に崩壊:スターレイルを意識していたので,それに従った作詞を意識しています。このゲームのキャッチコピー(?)は「この旅が、いつか群星に辿り着かんことを。」なんですよね。ということでスターレイルには終わりが明示されています。そのため,よくある「旅はこれからも続くぜ!」とか「俺たちの冒険はこれからだ!」みたいなのは先に封じられていました。おそらくはかなり長い旅路にはなるが,それは永遠ではなくどこかに終わりがある,ということで,正直自分としてはかなり苦しい作詞でした。サビの最後のフレーズは『夜を越えて』になっていますが,どう考えてもここが『どこまででも』になった方が座りは良いんですよ。けれどこれをしてしまうとちょっとテーマ性からの逸脱が激しすぎるので泣く泣くボツにしています(そもそも『紡ぎだす旅路はきっと この先もずっと続いてゆく』もかなりアウトに近いですが)。

 そのほかで言えば,列車組の星神であるところのアキヴィリは開拓の運命にあるわけなので,『くしゃくしゃの白紙の星図を ポケットに一つ詰めて』というフレーズがあったり,『憧れが道を拓く』というフレーズがあったりします。また,ストーリーが進むほど主人公たちには友人たちが増えていくので,そういう関係性が生まれていくことを『星座のように 繋ぐ想い』と言っていたりもします。あとは当然ですが,列車の旅なので『レールが導く』だったり『車輪の跡 軌跡を描いて』だったりします。余談ですが車輪の跡って轍って言った方が楽で簡潔ですけど,あえて回りくどい言い方するのも味があって良いですよね。

 最後にタイトルの話。気付いた人がどれくらいいるのか分かりませんが,このタイトルは『Star Trail』であり『Start Rail』でもあります。掛詞大好き人間としての活動は欠かさずやっていきます。

 

 以上!余力があれば今後も続くはず!