読書備忘録2021-36~47

 全然書いてなかったら馬鹿みたいに溜まっててワロタ。まとめて書きます。

2021-36『ドグラ・マグラ』/ 夢野久作

 日本三大奇書でしたっけ。一度は読んどくべきかな~などと軽い気持ちで手を出したものの,やっぱ無理でした。辛うじて何言ってるかは読めるんですが,どうにも意味が分からない。これは所謂日本近代文学全般に対する自分の評価(好悪)なので何ともしがたいところがあります。読んだら気が狂うとか言われてるらしいですが,これが理解できる人は本当にすごいと思います。

 

2021-37『そいねドリーマー』/ 宮澤伊織

 箸休め的に軽そうなやつを読みました。『裏世界ピクニック』とは打って変わって怪奇色はあまりなく,どちらかというとファンタジーですね。とはいえやはり百合モノなので作者の性癖を感じていました。ストーリー的にどんどん認識がおかしくなっていく感じ(不安定になっていく感じ)を文章でしっかりと示しており,めちゃくちゃ技巧的だったように思います。ラストはなかなかどうして自分の性癖に近いモノをぶつけられたので気持ち悪い笑顔になってました。ここ最近のベスト本です。

 

2021-38『興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和』/ 林佳世子

 学術書シリーズその1。Kindleで半額になっていたのでつい手を出してしまった。何度も言うようにアラブが好きであり,かつコンスタンティノープル大好きオタクなのでオスマン帝国は歴史上の国の中で1,2を争うくらい好きです。ちなみに同率くらいで好きなのがヤゲウォ朝リトアニアポーランド連合王国です。影の薄い強国がすき。この本は,オスマン帝国の前近代を中心に国家制度などの変遷から紐解いていった本で,通史的な高校世界史を学んだ後にこういうのを読んで知識を深めていくのが堪らないんですよね。

 

2021-39『グノーシスの神話』/ 大貫隆

 学術書シリーズ2。エヴァが好きだとキリスト教の異端とか聖書の外典とか周辺知識ばかり気になることありませんか?自分はめちゃくちゃあります。グノーシス主義という名前はどこかで聞き及んでいたものの,内容は全く知らなかったため勉強しようと軽い気持ちで読み始めましたが,まぁさっぱり分かりませんでした。キリスト教のくせに多神教的な要素がかなり強く,その他宗教にも派生していった思想だということは辛うじて分かった気がしますが,相当難しいです。予備知識が一切無かったのが良くなかったと反省しています。そのうち勉強し直して読み直そうと思ったり思わなかったり。

 

2021-40『興亡の世界史 インカとスペイン 帝国の交錯』/ 網野徹哉

 学術書シリーズ3。中南米はアラブの次に好きです。なぜなら地元に中南米美術館というニッチすぎる美術館があるから。もう少し古い時代のことも扱うかと思っていましたが,あくまでスペインによるインカ帝国の征服から話をスタートするという立場です。特に面白かったのは,スペイン本国の宗教を巡る政治状況が植民地にもかなり波及していたという話。ざっくりとしか触れられない通史を学んだ後でこういうのを読むから堪らない(2回目)。

 

2021-41~43『霊感少女は箱の中1~3』/ 甲田学人

 ここからラノベゾーン。推し作家であるところの甲田学人先生です。『断章のグリム』シリーズからずっと読み続けています。ホラー・オカルト系のシリーズで,『断章のグリム』からそうなのですが,ホラー描写で文が途切れ途切れになり,繰り返しが多用されるという文体がすごく好きです。まだ未完のシリーズっぽく,はやく続きが読みたくてソワソワしています。

 

2021-44~46『ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション上・中・下』/ 甲田学人

 同上。ホラーの展開がやはり良い。これはこの作者にしては珍しく(?)学園モノではないです。ずっと引っ張ってきた怪奇現象をあっさり何でも無いもの(畏怖の念を与えるための装置)に変えてしまうあたり熟れているなぁという印象です。

 

2021-47『ノロワレ 人形呪詛』/ 甲田学人

 同上。学園モノのホラーです。こういうホラー作品を「ファンタジー」と言い張る辺り作者と自分の思考回路が似ているなぁと(影響されているというのは多分にある)。人形をテーマにしたホラーものはかなりの数あり,どこまで独自性が出せるかは謎ですよね(そんなに他のものと差別化が図れているようには思えなかった)。とはいえ,「何でも無いもの」が畏れによって呪いと化すというような展開はこの作者の十八番であります。

 

 はい,ここまで書きました。読むのをサボっていたのではなく,書くのをサボっていただけです。どうか許して。ちなみに本の馬鹿買いはもっとやってるのでこの先まだまだ読む本が積んであります。どうしてこうなったんでしょうか。

 では。