読書備忘録2021-48 ~ 83

 またサボってたんだけど。どうして?

 

(2021/09/29追記)

読んで感想的なのを書くまでの間にもう一冊終わる,みたいなのを繰り返した結果収拾がつかなくなってきたので,もう書いてなかった分については読んだ本のリストだけ書き出します。

(追記おわり)

 

2021-48『あなたの人生の物語』/テッド・チャン 浅倉久志

 映画になっていたのは前々から知っており,原作を読むかなぁという気持ちだった(映画を先に観るとイメージが完全に固定されそうで嫌という気持ち)ので,半額セールでポチりました。表題作はなるほどかなり良い感じで,ある種ファーストコンタクトものといった風情もありつつ,因果論的世界と目的論的世界との交錯を描いている感じでしょうか。一つだけ言うことがあるとすれば,「映画ポスターのあのばかうけはいったい何?」です。何なんでしょうね,あれ。

 そのほかの作品も,アルジャーノン好きそう~とか平面説ならぬトーラス説かな?みたいな作品があり,読んでいて楽しかったです。

 

2021-49『天体の回転について』/ 小林泰三

 ほぼ表紙買いだったような気がします。SFだと思っていたんですが,かなり内容が多岐にわたっており,それもそのはずで作者はホラーもの(と一般に言われている)を書く方なようで。個人的には『灰色の車輪』が好きで,あるあるといえばあるあるだと思うんですが,知能を持ったロボットがいかに3原則を超えるか,といった風情。

 

2021-50 ~ 54『STEINS;GATE』/ 三輪清宗

 シュタゲは教養(要出典)。それはともかくとして一度は読んでみたかった(こういうとき漫画とかゲームとかに手を出さないあたり活字中毒だよなぁ,と)(これは罠で,完全に自分のペースで進められる小説が一番ストレスが少ないというのがあります)。予備知識ゼロだったのでそれなりに楽しめましたが,一方でスピンオフの回はちょっとアレでした。まぁ致し方なし。こういった作品はいつでもSF的読み方をしてしまうので設定のあら捜し的なことをやってしまうのですが,パラドックス回避の手段がしっかり取られていてよかったなぁという感想です。個人的にはリーディングシュタイナーをそんなに乱発してほしくなかったなぁという気持ちが少しだけありますが,もっと救い無いオチでもええんやで。

 

2021-55 ~ 63『神さまのいない日曜日』/ 入江君人

 一言でいってド性癖でした。ある種ポストアポカリプス作品なんだと思います。人の死が死でなくなった世界でどう生きるのか,といった風情があります。バカスカ死んでいく(これは罠で,死ぬけど死にません)けれどそんなに重くならないのが良いのか悪いのか。オチは少し消化不良だったんですが,まぁ時代柄,作品柄そんなもんなのかな,という感じです。

 

2021-64『現代数学概論』/ 赤攝也

 もう少し入門的な内容を想像していたのですが,思っていたよりもガッチガチの内容でした。正直全く理解できていません。でもこういう世界があることを知ることは大事だと思うの(自己肯定)。

 

2021-65 『完全教祖マニュアル』/ 架神恭介, 辰巳一世

 どこかで名前を聞いたことがあって,気づいたらKindleのセール対象になっていたので衝動的に......。所謂バカ本なんだろうと思っていたのですが,思いのほかちゃんとしていました(あまりに失礼)。キリストとかブッダとか,宗教の創始者の異常性というか各時代からの浮世離れした感じというか,そういったものがかなり平易に書かれていて読みやすく,面白かったです。さすがにこれを読んで教祖になれるかは別だと思いますが。

 

2021-66 ~ 69『クレギオン』シリーズ / 野尻抱介

 推し作家の原点らしいです。まだ全作読めていない(というか新刊でも見かけないし中古市場にもほとんど出回っておらず,なかなかに入手難度が高い)のですが,やっぱり好きです。こういうお仕事もの(?)のSFが最近特に好きになってきており,若干コメディ要素というか,有り体に言ってしまうとラノベっぽい感じがあるのがかなり好みです。相変わらず宇宙の作りこみがしっかりしており,超科学的な内容もありはする一方でそれには極力触れないという一種の哲学じみた感じがすごく気分良いです。

 

2021-70『バビロンIII-終-』/ 野﨑まど

  三作目。はやく続きを出してくれ。ともかく今回はあまりタヒにませんでした。けれどもかなりの重要人物がアレしちゃうのでアレです(ネタバレ配慮)。とりあえず「おもしれ~」以外に書くことがないんですが,これがアニメ化してたの本当に信じられない(PG12なりかねないでしょ)。

 

2021-71『群青神殿』/ 小川一水

  お仕事×海洋SFです。めちゃ好き。

 

2021-72『BLAME! THE ANTHOLOGY』/ 原作: 弐瓶勉, 九岡望小川一水・野﨑まど・酉島伝法・飛浩隆

 オタクの例にもれずBLAME!が大好き(というか二瓶作品が好き)なのですが,それに野﨑まどとの化学反応を楽しみにしていました。中身としては全体的に好みが詰まっており,特に小川一水先生の作品がド真ん中ぶっ刺さりました。

 

2021-73『なめらかな世界と、その敵』/ 伴名練

 

2021-74『大絶滅恐竜タイムウォーズ』/ 草野原々

  ほんまに悪いオタク。全作が割とハッピーエンド(解釈は人それぞれ)だったので今回はどうなのかな~って思っていた時期が私にもありました。ヌルっと時間がバカみたいに経過したり,時事ネタをぶち込んできたり,ナレーション形式で話が進んだりと,慣れてないと人は困惑しそうだな~という印象。恐竜と銘打ってますが,恐竜だけじゃなく,アノマロカリスたんとか色々出てきます。人によっては「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」などとなる可能性も無きにしも非ずです。

 

2021-75『日本語はどういう言語か』/ 三浦つとむ

  お勉強シリーズ。個人的にはそこまで納得できなかった部分もありました。作者はアカデミア出身ではなさそうで(そういうことを考えるのは権威主義的なのでほんとうにやめたほうがいい),これが主流派なのかもイマイチわかりません。少なくとも,主流的な考え(当時)に対して割に歯向かっているような印象でした。ただ,助詞の解釈なんかはかなり納得できる部分が多く,「は」と「が」の使い分けにおける意味の違いなんかは特になるほどなァ~という感じでした。

 

2021-76『2』/ 野﨑まど

  これまでの野﨑まど作品のキャラクターが勢ぞろいという感じでアツかったです。『[映]アムリタ』,『舞面真面とお面の女』,『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』,『小説家の作り方』,『パーフェクトフレンド』をすべて読んでから読むのをお勧めします。野﨑まどっぽい狂気にあふれていて面白かった。

 

2021-77『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』/ 大森望

 ほんとうに良くないことなんですが,これ,読んだことがあるのを忘れて再購入しました。しかも読み終わった後に本棚の後ろから発見されるというオチ付き。ほんとうに馬鹿。内容はめちゃくちゃ良いです。特に野﨑まどの『第五の地平』は本当に素晴らしい短編だと思います。バカSFっぽさもありながら図表付きでしっかり説明してくれるのもポイント高い。力点とかいうプレゼン用のアプリケーション,どっかで聞いたことあるよな~。

 

2021-78『経済学講義』/ 飯田泰之

 

2021-79『日本SFの臨界点[怪奇篇]ちまみれ家族』/ 伴名練 編

 

2021-80『日本SFの臨界点[恋愛篇]死んだ恋人からの手紙』/ 伴名練 編

 

2021-81『たたかう植物-仁義なき生存戦略』/ 稲垣栄洋

 

2021-82『エジプト神話集成』/ 杉勇, 屋形禎亮

 

2021-83『ラスト・レター』/ 笹本祐一