読書備忘録2021-27『科学哲学への招待』/野家啓一

 また学術書シリーズでございます。科学哲学もやっぱり押さえとくべきだよなー,っていうモチベ。それ以上でもそれ以下でもない。

 モチベ的にそれほど期待していたわけではなかったんですが,ことのほか楽しめ,特にポパーの議論が印象的でした。地球科学なんてやってると「正しい」なんて絶対分からなくて,証拠を一番説明できる説が一般に信じられる訳なんですが,まさにポパーの科学哲学観であるところの反証可能性云々の話だなー,と(細々した用語は覚えきれないです,もうすっかり頭が弱ってるので)。例を挙げるとするなら地向斜プレートテクトニクスとかでしょうか(微妙に違うかも知れない)。最近の肌感覚からすると,ホフマンの『スノーボールアース』もちょっと怪しいんじゃないかという話もあります。ともかく,基本的には『反証がないから暫定的に正しい』という立場になるんですよね。他の分野だと違うこともあるんですかね。もしかするとたまーに科学観で話が合わないことがあるのはそういった部分にあるのかもしれないなどと愚考してみたりしなかったり。

 さて,やっぱ学術書のオススメなんてできないっすわ。科学哲学の良書とか知らないし,他の分野にしろ自分の理解が及ぶ範囲が少なすぎる。もっと勉強しないといけませんね。

 それでは。