読書備忘録2021-28『Fと成りうる者』/初瀬明生

 いつもとは毛色異なるホラーもの(偶然川柳)。てなわけで今回はちょっと息抜き的に短編です。

 ホラーものを本当に読まない(おそらくまともに読んだのは『Another』/綾辻幸人 くらい)のでとても新鮮。タイトルで森博嗣を連想してしまったんですが,リスペクトとかも感じず,内容は全然関係なさそう。根底に「恐怖は伝染する」的な思想があるはずなのですが,ホラーの主役そのものにもそれを反映させているんだと思います,多分。個人的にはもっとたくさんの人が巻き込まれていっても良かった気がします(ぜったい『Another』の影響)。それはさておき,タイトルのFはいったい誰なんでしょう,ネタバレになるので深くはアレですが,もし自分の予想通りなら少し拍子抜けです。

 さて,お勧めするならやっぱり

『Another』/綾辻幸人

『バイロケーション』/法条遥

あたりをお勧めします。2つ目はあんまりホラーじゃない気がする(法条遥がSF畑の人なので)のですが,角川ホラー文庫から出てるのでそういうことにしておきます。

 それでは。