読書備忘録26『ギルガメシュ叙事詩』/矢島文夫

 自分はアジア史が大好きなんですよ,ローマ史も好きだけど。てなわけで有名な作品を読もうのコーナーです。

 この本はよくある解説本みたいなのではなく,完全に学術向けの日本語訳になってます。なので,これでギルガメシュ叙事詩の話の内容がすべて分かるかというとそんなことはない。ただ,古文書的なものからこういった物語を復元する際に,どんな手順を辿るのか,どういった類推をして不足部分を補うのか,といったことを知れるのは非常に興味深い。分野の人には当たり前でも門外漢には全く分からないものなので。自分はfateにあまり触れていないから頭をよぎるなどは全くなかったのですが,fateを知っていると色々おもしろさも増すのかなぁ,と思いながら読んでました。あとがきでの作者の情熱を垣間見られるのも非常によい。こういう情熱を持って生きていきたいものです。

 さて,この本が好きな人は,とりあえず『イリアス』とか『旧約聖書』も読むと良いんじゃないですかね。あと,少し方向性がずれますが,古の名作として『オイディプス王』はマジでおすすめします。正直そんなに文量も無いのですぐ読めるし。

 

それでは。