読書備忘録2021-9『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』/小川一水

 まーたコイツ小川一水読んでるよ。というわけで小川一水の最新作(?)です。図らずもここ最近百合作品ばっかり読んでいます。百合に向き合う2021。ともあれ百合に対する理解が深まっている気がします。

 さて,もともとは『アステリズムに花束を』の書き下ろしだったっぽいです。外宇宙の異世界での生活を軸に,百合っぽい展開をしていきます(説明が雑すぎる)。昏魚(ベッシュ)という魚のような見た目をした生命体(のようなもの)を捕る宇宙漁師が主人公で,その相棒(押しかけ女房的な)との生活を軸に話が進んでいきます。船を形作る側と船を操る側がそれぞれ別っていうのが良い感じですよね。百合展開にしやすそう。ただただ生活を描写するだけで無く,その生活圏の形成史も絡めたスペクタクルになっているのが面白い。それはさておき小川一水は魚のモチーフがめちゃくちゃ好きですよね。『老ヴォールの惑星』も『コロロギ岳から木星トロヤへ』も魚っぽい生物が出てきます。いずれも高次元生命体というか人間の理解を超えた生物として描かれるのも共通している。

 ということで今回のオススメはその2冊,

『老ヴォールの惑星』/小川一水

『コロロギ岳から木星トロヤへ』/小川一水

でしょうか。高次元生命(というかAI?)みたいなのが好きだと円城塔も良いかも知れない。百合本のオススメができるほど自分の中の百合感が定まってないのが難しい。

 進捗報告としては,現在ぼちぼちと『皇国の守護者』を読んでいます。ちゃんと読まないといけないのになかなかページが進まなくてしんどいですね。何が言いたいかというと,二段組みの小説は読みにくい。

 それでは。