読書備忘録2021-8『未必のマクベス』/早瀬耕

 話題になってたような気がする作品を読もう2021です。......嘘です。ちょっと興味あったところに古本屋で安かったのを見て衝動買いしました。

 いわゆるサスペンスってやつなんですかね。ICカードの暗号化技術を巡って繰り広げられる犯罪を渡り歩く本です。舞台は東京と東南アジアで,新興の情報技術を扱う作品として良い感じの舞台設定をしています。主人公がなかなかハードボイルド感のある人物で,バーに行くと必ずキューバリブレを頼むところなんかは和製(?)ハードボイルドキャラって感じがして良い。イギリスならきっとスコッチだしドイツならビールなんですかね? それはさておき,たまに文中で「キューバリブレ」と「クーバリブレ」が出てきて混乱してました。おさけのなまえわかんないの......。話が逸れましたが,尻込みしそうな厚さの割に文体はかなり読みやすく,サスペンス特有の「こっからどうなるんだろう」感も強く,読むのにそれほど苦しさは覚えなかったです。こういう作品って,9割9分最初に謎かけみたいな問があって最後でそれを回収しますよね。これも多分に漏れずそういう感じになっています。物足りなさといえば,もっと巨悪を巻き込んだ展開になるのかなぁと思わせつつ比較的こぢんまりとした舞台の中で展開していたことですしょうか。まぁ某倍返しとか某棒とかに比べるとアレなので別に良いと思いますが。

 さて,これが好きな人は何が好きなんですかね。自分自身あまりサスペンス系を読まず,一時期『三毛猫ホームズ』シリーズ(赤川次郎)とか今野敏の小説とかを読んでいたくらいなので適切なオススメができない。なので今回はとりあえず『三毛猫ホームズ』を推しておきます。赤川次郎は小学生の頃に図書館の棚の端から端まで読むというチャレンジをしたときに出会い,まぁまぁ好みに影響を与えた作家ではあります。最近は全く読んでないですね......。

 それでは。