今回はハヤカワのミステリものです。Kindleで安く売られており,前々から巻末広告で紹介されていたのが気になっていました。
この本は,全編を通じてポオの小説をモチーフにして話が進んでいきます。自分はポオ(エドガー・アラン・ポー)にほぼなじみがない(江戸川乱歩ならそこそこ読んだことあるけれど)ので「なるほどね~~」などとはなりませんでした,無念。ちょっと調べてみたらポオの小説で最初に日本語されたのが『黒猫』という作品らしく(Wikipedia情報),そういうところから凝ってるな~という感想です。ポオというからには探偵ものっぽい雰囲気が展開されており,前回の『高い窓』みたくトリックが~というものではなく,断片的な情報から真相にたどり着く,という形式なので自分としては新鮮な気持ちです(いままで探偵ものをそう読んでこなかったのもある)。テーマの1つに美学があるようで,レトリックな部分にも心地よいものがありました。作中に出てくる詩なんかはすごく好みの作品でした。こういう詩も書いてみたいものではあります。
さて,オススメしようにもなかなかこういう系統の作品のバックグラウンドが無いので難しい。探偵ものってそんなに興味が無かったんですよね。最近ちょっと面白いのでは?になっています。探偵もので好きなのが『刑事コロンボ』(探偵......?)なので普通の謎解き系がそこまでしっくりこないというのもあります。そういえばコロンボが好きなあたりからもネタバレOK気質の片鱗が見えますね。話が逸れましたが,とりあえず
『刑事コロンボ』
をオススメしておきます。最初っから犯人が分かっていて,それをどのようにして探偵が暴いていくのか,という形式は慣れないと「え?」となりがちかも知れませんが(今回の本はそういう形式では無いです)。
それでは。