読書備忘録2021-5『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』/宮澤伊織

 裏世界ピクニック,テーマがテーマなのでインターネットに浸かっている人間的にはやはり楽しい。てなわけで2冊目です。どんどん裏世界に近づいて言っている感じが面白く,「深淵を覗くとき,......」なアレを感じますよね。主人公組がだんだん現実(表世界)と裏世界との境界を曖昧にしてきている描写が,気が狂っては正気に戻る,を繰り返しながら示されていっています。とはいえまだ理性を保っていることを示したいのか,この巻では人助け的ストーリーの短編が多かったですね。といいながらさらっと銃を補充してるのは気が狂っている証左なのかも知れません,しらんけど。

 ただ,どうしても半端に百合っぽいのがどうも自分にはこそばゆい。自分は百合が好きであり百合が嫌いという,それはまぁ面倒な性癖を持っているのですが,これはあまり好きでは無い方の百合です。個人的には,もっと互いに傷つけ合って,「愛」だの「好き」だのが漸く直接言えると思ったら既にその関係性は歪みきっている,みたいなのが好きです。よく言う「好きだから傷つける」ってやつ。この「傷つける」は,精神的なものを主として多少は身体的なものを伴っているととても良い(さらに言えば傷つけられる側はそれが純粋な「愛」でないと気付いていながら自身の負い目から笑顔でそれを受け入れている,なんて感じだとなお良い)(ニチャァ)。だからきらら系の作品はそれほど好きでは無いけれど,『コスモファミリア』が好きなんですかね。百合の最終形態は互いが互いで無くなる(合一してしまう)のが理想です。マジでキモい。

 話がアンドロメダ銀河まで飛んで行ってしまいましたが,やはりこれが好きなら

『物語』シリーズ/西尾維新

は必読ですよね。怪異譚をテーマにした作品はもっとあったはずなんですがどうにも思い出せない。記憶力がゴミカスになってしまいました。

 

 それでは。