読書備忘録12『こちら郵政省特別配達課』/小川一水

 この人まーた小川一水読んでるよ...。まぁ好きなので許して下さいまし...。現在までで2巻まで読みました(3巻がまだ出ていない?)。

 今作は小川一水の官僚系小説(『復活の地』とか)(そんな雑な定義があって良いかは別にして)です。ひょんなことから(?)地方の郵便配達員だった主人公が郵政省特別配達課という特殊な組織に配属されて...,という感じのある意味ドタバタコメディーなんでしょうかね。面白いのはこの郵政省特別配達課,採算なんか度外視でむちゃくちゃな依頼をこなしていくというぶっ飛び部署なんですね。当然そんなことをするには時としてめちゃくちゃなことをしなきゃいけない(法に抵触してそう)ので畢竟ドタバタになるわけ。ネタとしては郵政民営化の話とかもちりばめられていてクスッとします。某黒猫もいたりなんかして。それでもって最終的にはちょっと恋愛要素を入れてくるのは流石小川一水先生ですよ。こういうのを自分はある種ラノベ的と考えている(貶める意図は全くないです)のですが、やはり小川先生はそれが上手いなぁ,と思います。自分,そういうの好きがちなので。

 さて,この本が好きな人は

『復活の地』/小川一水

も読んでみて欲しい。けっこう長いので時間あるときにでも...。『復活の地』はそんなでも無いですが、ほのかに恋愛要素を混ぜ込んでくる系の作家ってあと誰が居ますかね...。ラノベ的を感じるのは米澤穂信とかでしょうか...。『インシテミル』を読み直すのとかアリですよね(その前に『春季限定いちごタルト事件』とかの積ん読を読め)。