今回もまた学術書です。ちくまを学術書としない派の人は許(ry。相変わらず言語系の本です。やっぱり言語が大事なんすわ。
大雑把にまとめてしまうと,人間はどのように言語を学習していくのか,についての概説になっています。この手の日本語で書かれた本は得てして日本語話者にフォーカスしがちなのですが,英語話者について行われた実験もちゃんと行われていて,相対化が図られています。さらに,言語の特性(i. e. 文化差異)によっても言語話者の認識が異なっていくという対比もされていて,かなりしっかりしている印象。やはり(少なくとも現代人については)思考が言語を規定するのではなく,言語が思考を規定しているのだなぁ,という思いを強くしました。だからこそ非ネイティブの言語学習は難しいんですよね。
あと,赤ちゃんはきちんと発音の区別("l"と"r"とか)がついている,というのは新鮮な驚きでした。まぁ,考えてみればそうなんですが,母親のお腹の中にいるときから周囲の言語の発音をおぼろげにでも聞き分けているらしく...。なおのこと言語の習得ってすごいなぁと思います。
今回もオススメは無しにして...とは言えなんとなく思い出したので,見た目の形と音の関係についての研究の話を挙げておきます(wikipediaでごめんなさい)。
では。