読書備忘録5『HELLO WORLD』/野﨑まど

 みんな大好き野﨑まど。自分が最初に野﨑まどを知ったのは「NOVA+バベル」収録の『第五の地平』でした。そのぶっ飛びまくった設定と独特なSF感が好きになるなど。

 この本は映画ノベライズ(?)のはず。一時期話題になりましたよね。舞台が京都なのもあって前々から読みたかったのを,古本屋の100円の棚で見つけてしまったので衝動買い。恋愛SF小説ですね。個人的には,このジャンルでは小川一水が一番なので,やはりそれには勝てなかった。あまり野﨑まどっぽさを感じなかったのは自分だけですかね...。とはいえ面白くないわけでは無く,「ぶっ飛んだ技術革新」が出てきているあたりはSFチックで,「記録世界での行動が現実に影響を与える」というのを上手く利用しようとするのもライトなSFっぽい(硬派なSFだとこれに振り回されそうなイメージ,そんでもって救いの無い終わり方をしそう)。おそらく,ジュブナイルものに落とし込みたかったんだと思いますが,エンドが「そうくるかー」という感じで,そこはちょっとだけ意外性がありました。軽いSFは好きなのでアリですが,野﨑まど...?という感じなのはちょっと消化不良。

 さて、この本が好きな人は

『白夢(スノーミスト)』シリーズ(全4巻)/瀬尾つかさ

あたりが良いですかね。良くも悪くもラノベっぽいのでこんな感じ。

 

それでは。