読書備忘録2『伊藤計劃映画時評集1』/伊藤計劃

 今回は小説ではありません。なんと映画の評論。みんな大好き伊藤計劃大先生のウェブサイトの記事をまとめたものになります。そもそもこの読書備忘録を纏めようと思った理由の一つにこの本を読んでいたことがあるので,そういう意味で大事な一冊。

 内容は,まぁタイトルから簡単に推測できるように,伊藤計劃が観た映画の感想を綴ったものになります。作者が『ニューロマンサー』/ウィリアム・ギブスン に心酔していることから,どうせSF映画ばっかりだろうなぁと思っていたら案外映画は多岐にわたっています。ハリウッドから邦画(しかもやおいネタ)まで様々。なるほどなぁという感情になります。夭逝の作家はこんなことを考えていたのか,と想いを馳せるには良い一冊。ただし,かなり主観的な内容(作中で本人も言っていますがやはりスレたオタク)になっていますから,「評論」なの???という気持ちにはなります。少なくとも伊藤計劃がものすごく映画好きであることは伝わってきます。

 個人的には,自分がサイバーパンクが苦手な人間である(本棚を見たことがある人なら分かってもらえますが僕はファンタジーSF大好きオタクです)ことも手伝って,ところどころ首肯しかねる部分もありましたがそこは好みの問題。それでも特大感情オタクになってしまったのでアマプラでハリウッドゴジラを観ました(3回目)。やはりハリウッドは怪獣がいっぱい暴れるので,そこは良いですね!(ゴジラの鳴き声は高すぎてハァ?ってなるし,巨大な怪物で一度に大量の卵を産むくせに卵が破壊されてむせび泣くような声を出すところは笑っちゃうし,怪物のクセに人間みたいな求愛するし,ゴジラは締まりない身体してるしで突っ込みどころ満載)渡辺謙が「Let them fight...」っていうのには苦笑するしかなかったけれど。

 さて,この本が好きな人は...適当に評論買って読んでください。

 怪獣もの(+ SF)の映画が好きな人は

パシフィック・リム

シン・ゴジラ

バトルシップ

インターステラー

あたりでも見てください。

『オデッセイ』を観て高まったので古本屋で『火星の人』/アンディ・ウィアー を買いました。そのうち読みます。